皆さん、こんにちは。

岩手県盛岡市にある ざいもくちょう歯科の院長、中谷 寛之です。

 

インプラント治療って年齢制限があるの?」「自分の年齢でインプラントは大丈夫かな?」と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。

実は、インプラント治療に適した年齢というのは、一概には言えないんです。むしろ、年齢よりも口腔内の状態や全身の健康状態が重要なポイントになります

この記事では、インプラント治療に適した年齢層や、治療を受ける際に考慮すべき点について詳しく解説していきます。インプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

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インプラント治療に適した年齢とは

インプラント治療に適した年齢とは

インプラント治療は、失った歯を人工の歯根で置き換える治療法です。この治療法は、歯を失った多くの患者様に適用可能ですが、年齢によっては治療を受けられない場合や、注意が必要な場合があります

インプラント治療を受けられる年齢の目安

インプラント治療を受けられる年齢には、明確な制限はありません。

20歳以上から適応可能

一般的に、インプラント治療は20歳以上の方を対象としています。これは、顎の骨の成長が完了する年齢が20歳前後であるためです。顎の骨が成長途中の場合、インプラントが骨と一緒に移動してしまい、歯並びに悪影響を及ぼす可能性があります

年齢に上限はない

インプラント治療に年齢の上限はありません。全身の健康状態が良好で、口腔内の状態が適している高齢の患者様も、インプラント治療を受けることができます。ただし、高齢の方は全身疾患を抱えている場合が多いため、治療前に十分な検査と評価が必要です

40~60代の方がインプラント治療を受ける割合が多い理由

歯を失いやすい年代であるため

40~60代は、歯周病や虫歯による歯の喪失が増加する年代です。特に、40代以降は歯周病のリスクが高まり、歯を失う可能性が高くなります。インプラント治療は、失った歯を回復するための有効な選択肢の一つであるため、この年代の方が治療を受ける割合が多くなっています。

70~80代では別の治療法を選択することが多い

70~80代の高齢者は、インプラント治療よりも入れ歯や部分入れ歯を選択することが多いです。その理由は、全身疾患のリスクが高いことや、手術への抵抗感、経済的な負担などが挙げられます。ただし、全身の健康状態が良好で、お口の状態が適している場合は、高齢でもインプラント治療を受けることが可能です。

若年者のインプラント治療について

若年者のインプラント治療について

若年者、特に未成年の方がインプラント治療を受けることは一般的ではありません。その主な理由は、顎の骨の成長が完了していないことにあります。

なぜ未成年はインプラント治療ができないのか

顎の成長が完了していないため

人の顎の骨は、20歳前後まで成長し続けます。インプラントは顎の骨に直接固定されるため、骨の成長が完了していない未成年者にインプラントを埋入すると、顎の成長に伴ってインプラントの位置がずれてしまう可能性があります。このずれは、歯並びの乱れや咬み合わせの問題を引き起こす恐れがあります。

そのため、歯科医師は通常、顎の成長が完了するまでインプラント治療を推奨しません。代わりに、成長に影響を与えない別の治療法、例えば部分入れ歯やブリッジなどを提案することが多いです。

若年期に永久歯を失ってしまった場合の対処法

若年期に事故や外傷などで永久歯を失ってしまった場合、顎の成長が完了するまでは暫定的な治療法が選択されます。具体的には、取り外しのできる部分入れ歯やブリッジを使用して、見た目と機能を回復させる方法があります

顎の成長が完了した後、口腔内の状態が適していれば、インプラント治療を検討することができます。

ただし、若年期に歯を失った部位の骨量が不足している場合があります。そのような場合は、骨移植などの追加治療が必要となる場合もあります。

歯科医師との相談を通じて、患者様個々の状況に合わせた最適な治療計画を立てることが重要です。

高齢者のインプラント治療におけるリスクと注意点

高齢者のインプラント治療におけるリスクと注意点

高齢者の方がインプラント治療を受ける場合、いくつかのリスクと注意点があります。

高齢者がインプラント治療を受ける際のリスク

術中・術後の細菌感染リスクが高い

高齢者は、免疫力が低下していることが多いため、インプラント手術中や手術後に細菌感染を起こすリスクが若年者と比較して高くなります。感染が起こると、インプラントの定着が妨げられたり、全身の健康状態に悪影響を及ぼしたりする可能性があります。

全身疾患による手術中のトラブルの可能性

高齢者は、糖尿病、心臓病、高血圧などの全身疾患を抱えていることが少なくありませんこれらの疾患は、インプラント手術中に合併症を引き起こす可能性があります。例えば、糖尿病の方は術後の傷の治りが遅くなったり、心臓病の方は手術中に心臓に負担がかかったりするリスクがあります。

インプラントと顎骨が結合しにくい

加齢に伴い、顎の骨密度が低下することがあります。骨密度が低いと、インプラントと骨が結合しにくくなり、インプラントの定着が不十分になる可能性があります。

外科手術を乗り切る体力が不足している場合がある

インプラント治療は外科手術を伴うため、ある程度の体力が必要とされます。高齢者の中には、手術の侵襲に耐えられるだけの体力がない方もいます

高齢者のインプラント治療を成功させるための注意点

事前の体調管理と口腔内の清掃が重要

高齢者がインプラント治療を受ける際は、事前の体調管理が非常に重要です。全身疾患がある場合は、それらの疾患をコントロールした上で治療に臨む必要があります。また、口腔内の清掃を徹底し、細菌感染のリスクを最小限に抑えることが求められます

服薬や持病への対応が必要

高齢者は、様々な薬を服用していることが多いです。これらの薬には、インプラント治療に影響を及ぼすものもあります。例えば、骨粗鬆症の薬は顎の骨の治癒を遅らせる可能性があります。治療前に、服薬状況を歯科医師に伝え、必要に応じて服薬を調整することが大切です

歯周病の治療とセルフケアの徹底

歯周病は、インプラント治療の大きなリスク因子です。特に高齢者は歯周病になりやすいため、治療前に歯周病の治療を行い、口腔内の健康状態を改善することが重要です。また、治療後のセルフケアを徹底し、歯周病の再発を防ぐ必要があります。

喫煙習慣の改善

喫煙は、インプラント治療の成功率を下げる要因の一つです。喫煙により、口腔内の血流が減少し、インプラントの定着が阻害されるためです。高齢者でも、喫煙習慣がある場合は、治療前から禁煙に取り組むことが望ましいでしょう。

歯科医師は、これらのリスクと注意点を考慮した上で、患者様一人一人の状況に合わせた治療計画を立てます。高齢者の方も、適切な管理とケアのもとで、インプラント治療による歯の回復が可能です。

インプラント治療を受けられない場合

インプラント治療を受けられない場合

インプラント治療は多くの患者様に適した治療法ですが、全ての方に適用できるわけではありません。以下のような場合、インプラント治療を受けることが難しいこともあります。

重度の歯周病がある場合

歯周病が重度の場合、インプラント治療を受けることが難しいことがあります。歯周病は歯を支える骨や歯ぐきを傷つける病気で、インプラントを支える骨の量が不足している可能性があるためです。

重度の歯周病がある場合、まずは歯周病の治療を行い、口腔内の状態を改善することが必要です。歯周病の治療が成功し、十分な骨量が確保できれば、インプラント治療を検討することができます。

コントロール不良の全身疾患がある場合

以下のような全身疾患がコントロール不良の状態にある場合、インプラント治療が制限されることがあります。

重度の糖尿病

血糖コントロールが不良な重度の糖尿病患者様は、手術後の感染症リスクが高く、インプラントの定着が困難になることがあります。

循環器系疾患

重度の心臓病や血管疾患がある方は、インプラント手術中に合併症を起こすリスクが高いため、治療が制限される場合があります。

がんの放射線治療中または治療後

頭頸部へ放射線治療を受けている、または受けた患者様は、顎の骨の状態が悪化している可能性があるため、インプラント治療が難しいことがあります。

血液系の疾患

重度の血液疾患があり、出血傾向が強い患者様は、インプラント手術による出血のリスクが高いため、治療が制限されることがあります。

重度の骨粗しょう症

重度の骨粗しょう症により骨密度が非常に低い場合、インプラントを支える十分な骨量が確保できない可能性があります

治療後の定期的な通院が難しい場合

インプラント治療後は、定期的なメンテナンスが必要です。しかし、遠方に住んでいたり、体が不自由だったりするなどの理由で、定期的な通院が難しい患者様もいます。

このような場合、インプラント治療よりも、入れ歯などの他の治療法が推奨されることがあります。入れ歯は自宅でのケアが中心となるため、通院の負担が少ないというメリットがあります。

ただし、これらの条件に当てはまる患者様も、場合によってはインプラント治療を受けられることがあります。担当の歯科医師が、患者様の全身状態や口腔内の状況を総合的に判断し、最適な治療法を提案します。

インプラント治療と年齢に関するよくある質問

インプラント治療と年齢に関するよくある質問

インプラント治療と年齢に関して、患者様からよく寄せられる質問にお答えします。

インプラントに年齢制限はあるの?

インプラント治療に明確な年齢制限はありません。ただし、未成年者の場合は顎の成長が完了するまで治療を延期することが一般的です。また、高齢者の場合は全身状態や口腔内の状況を考慮する必要があります。

治療を受けられるかどうかは、年齢よりも患者様個人の状況によって判断されます。歯科医師が、全身の健康状態、顎の骨の状態、歯周病の有無などを総合的に評価し、治療の可否を判断します。

何歳からインプラント治療を受けられる?

一般的に、インプラント治療は顎の骨の成長が完了する20歳前後から受けられると考えられています。ただし、これはあくまでも目安であり、個人差があります。

例えば、早熟な方では18歳程度で顎の成長が完了する場合もあれば、晩熟な方では20代前半まで成長が続く場合もあります。したがって、インプラント治療を開始できる年齢は、患者様ごとに異なります。

高齢者でもインプラント治療は可能?

はい、可能です。年齢そのものはインプラント治療の絶対的な制限因子ではありません。全身の健康状態が良好で、口腔内の状態が適していれば、80代、90代でもインプラント治療を受けることができます

ただし、高齢者は全身疾患を抱えていることが多く、また、顎の骨量が不足していることもあるため、治療前の評価が特に重要です。担当の歯科医師が、患者様の状態を詳しく検査し、インプラント治療の可否を判断します。

インプラントの寿命は何年くらい?

インプラントの寿命は、患者様のセルフケアや口腔内の状況によって大きく異なります。適切なケアを行えば、インプラントは長期間にわたって機能することができます。

多くの研究では、インプラントの10年生存率は90%以上、20年生存率は80%以上と報告されています。つまり、適切な条件下では、インプラントは10年以上、場合によっては20年以上にわたって機能し続けることが可能です。

ただし、これはあくまでも平均的な数値であり、個人差があることに注意が必要です。定期的なメンテナンスを怠ったり、歯周病が進行したりすると、インプラントの寿命が短くなる可能性があります。

インプラント治療後のメンテナンスは必要?

はい、インプラント治療後のメンテナンスは非常に重要です。

定期的なメンテナンスの重要性

インプラント治療後は、定期的な検診とクリーニングを受ける必要があります。これにより、インプラント周囲の歯肉の状態を確認し、プラークや歯石を除去することができます。

定期的なメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎といわれる状態になり、インプラントが失敗に終わる可能性があります

正しいセルフケアの方法

日々の歯磨きも、インプラントを長持ちさせるために重要です。歯科医師や歯科衛生士から、インプラント周囲の効果的な清掃方法について指導を受けましょう

歯ブラシやデンタルフロスに加えて、特殊な形状の清掃用具が推奨されることもあります。これらを使い分けることで、インプラント周囲を清潔に保つことができます。

患者様ご自身が、歯科医院でのメンテナンスとホームケアの両方を大切にすることが、インプラントを長持ちさせる秘訣です。

まとめ

インプラント治療に適した年齢層まとめ

この記事では、インプラント治療と年齢の関係について詳しく解説してきました。ここで、ポイントを整理しておきましょう。

インプラント治療に適した年齢層

  • インプラント治療には明確な年齢制限はありません。
  • 一般的に、20歳以上から治療を受けられます。
  • 40〜60代の方が治療を受ける割合が多いです。

若年者と高齢者のインプラント治療の特徴

  • 若年者は、顎の成長が完了するまで治療を延期するのが一般的です。
  • 高齢者は、全身状態や口腔内の状況を考慮する必要があります。
  • 高齢者は、手術のリスクが若干高くなる傾向があります。

インプラント治療を受けられない場合

  • 重度の歯周病がある場合は、まず歯周病の治療が必要です。
  • コントロール不良の全身疾患がある場合は、治療が制限されることがあります。
  • 定期的な通院が難しい場合は、他の治療法が推奨されることがあります。

インプラント治療の成功のために大切なこと

  • 治療前の十分な検査と評価が重要です。
  • 治療後の定期的なメンテナンスを欠かさないようにしましょう。
  • 正しいセルフケアを行うことで、インプラントを長持ちさせることができます。

インプラント治療は、年齢よりも患者様の個人的な状況によって適否が判断されます。歯を失ってしまった際は、まずは歯科医院で相談してみることをおすすめします。歯科医師が患者様の状態を詳しく検査し、最適な治療法を提案してくれます。

高齢だからといってインプラント治療をあきらめる必要はありません。適切な治療計画とケアのもとで、インプラントは長期間にわたって機能し、患者様のQOL(生活の質)の向上に寄与することができるでしょう。

インプラント治療は、歯を失った方にとって魅力的な選択肢ですが、年齢による影響や制限について不安を感じる方も多いかもしれません。しかし、この記事でお伝えしたように、インプラント治療には明確な年齢制限はなく、若年者から高齢者まで、幅広い年齢層の方が治療を受けられる可能性があります。大切なのは、患者様お一人おひとりの状態に合わせた適切な治療計画を立てることです。

 

ざいもくちょう歯科では、患者様の全身状態や口腔内の状況を詳細に検査し、インプラント治療の適否を慎重に判断しています。また、治療後の定期的なメンテナンスやセルフケアの重要性についても丁寧に説明し、患者様が長期的に健康な口腔内を維持できるようサポートしています。

歯の悩みは人それぞれ異なりますが、私たちは患者様のお気持ちに寄り添い、最適な治療法をご提案いたします。インプラント治療について興味をお持ちの方、歯の健康についてお悩みの方は、ぜひ一度ざいもくちょう歯科にご相談ください。

スタッフ一同、患者様のご来院を心よりお待ちしております。

 

ざいもくちょう歯科

院長 中谷寛之