みなさんこんにちは!
岩手県盛岡市材木町にあるざいもくちょう歯科、歯科衛生士の平塚です。
最近はコロナなどの感染症対策としてお口の健康が注目されていますね🌞
インフルエンザやコロナウィルスがお口の中へ侵入したときに歯周病菌が気道への侵入を手伝ってしまうことが明らかにされています。
お口の健康が全身の健康にかかわるケースはいくつかありますが、そのなかでも今回は3つについて書いていこうと思います。
あまり聞きなれない言葉が出てくると思いますが、最後まで読んでいただけると嬉しいです🌷
➀歯周病治療が糖尿病の改善に役立つ
糖尿病の合併症の一つに歯周病がある事が明らかにされています。
こちらも併せてご覧下さい。
https://www.jda.or.jp/park/relation/periodontaldisease-diabetes_02.html
人の膵臓からはインスリンという血糖を下げるホルモンが分泌されています。
このインスリンが十分に働かなくなり血液中を流れるブドウ糖を体内に取り込めなくなると高血糖になります。
インスリンの働きを悪くするのは体の中で起こる「炎症」です。脂肪をため込んだ内臓脂肪は免疫細胞を刺激して体に炎症を起こしています。
この時生み出される炎症物質が血流にのって全身に広がりインスリンの働きを悪くします。
歯周病も腫れや出血、痛みなどお口に炎症を起こしています。
歯周病になっている歯周組織では免疫細胞と細菌が闘っています。
このとき免疫細胞が出した炎症物質が歯ぐきの血管から全身に広がり、インスリンの働きを邪魔します。
糖尿病と歯周病になっている場合、ダブルでインスリンの働きを悪くさせているのです。
食事に気を付け、運動に励んでいても血糖値が下がらない方、歯周病が原因かもしれません。
歯周病が治療されれば糖尿病にも良い影響を与えるということです。
➁歯周病が認知症の進行に関与
歯周病菌の中にはポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)という、特に病原性の高い菌がいます。
頭文字をとってPg菌と呼ばれます。
この菌は歯周病を悪化させるように周囲の細菌に働きかけるだけでなく、強力なたんぱく質分解酵素を持っています。
Pg菌が体内に入り込むと脳に行ったPg菌がたんぱく質分解酵素で神経細胞を変性させ、アルツハイマー型認知症を進行させている可能性がある*¹といわれています。
③歯を失うほど寝たきりになりやすい
健康で長生きしたいというのは、寝たきりにならずに暮らしたいということだと思います。
お口に残っている歯の本数が10本未満の人は寝たきりになるリスクが15倍になる*²という調査結果があります。
また、失った歯の本数が0~4本の人を基準値1とすると、失った歯が多い人ほど死亡リスクが上がっていき、最大では20~24本失った人はリスクが1.8倍にもなっています*³。
歯を残すために欠かせないのは、日ごろからのセルフケアと歯科医院で定期検診、メインテナンスを受けることだと思います。
今回はお口と全身の健康にかかわる3つについてご紹介しましたが、ほかにもたくさんあります。
虫歯の治療が終了したり、今は症状がない方でも、ぜひざいもくちょう歯科で定期検診、メインテナンスをうけてみませんか?☻
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*¹ Stephen SD et al. Sci Adv 2019.Jan23;5(1):3333.
*² 馬場みちえ、畝 博「要介護と残存歯に関する疫学研究」
*³ 若井建志ほか「歯科医師を対象とした歯と全身の健康、栄養との関連に関する研究」