こんにちは、ざいもくちょう歯科院長の中谷寛之です。

今回は、前回の知覚過敏の症状に続き、治療方法や対処法についてです。実際に知覚過敏になったらどの様な治療方法があるのでしょうか。

 

 

まずは、治療ではなく予防に近いですが、テレビCMでよく見ることがある知覚過敏用の歯磨き粉です。これは、最近の歯磨き粉は以前と違って、有効成分の効果が充分にあります。そのため、歯みがきをした後のうがいは少量の水で軽くすすぐ程度にしましょう。それにより、有効成分が、長時間お口の中に留まってくれます。また、しみるからといって、歯ブラシをあてずに、磨き残しを作ってしまうと、歯磨き粉の成分が象牙質を覆う事ができません。また、プラークが残っていることで、歯の再石灰化が起こらず、逆に象牙質を溶かし知覚過敏を進行させる事にもつながります。

前回、原因の一つに歯ぎしりや喰いしばりがある事は書きました。このような場合は、寝るときにマウスピースをする事も効果がある事もあります。寝ている時は、通常咬んでいる力が5倍にもなるという報告も有ります。この力を軽減するためにも、マウスピースは必要になると思います。

 

そして、歯に対する力は寝ているときだけでなく、起きているときにも起こります。これを、「上下歯列接触癖」といいます。日本語で書くと、なんか難しそうですね。英語では、「Tooth Contacting Habit」、略してTCHと言います。こっちの方がすっきりしていますね。最近はスマホや、デスクワークが行ってきましたので、下をむく姿勢が多くなり、上下の歯が接触していることが多くなっています。弱い力もちりが積もると大きな力になります。これが、知覚過敏だけでなく顎関節症などの原因になる事がわかってきました。このTCHについては、これだけで一のテーマになりますので、より詳しく記載したいと思います。

 

次は歯科医院での治療法です。まずは歯磨き粉の有効成分のように、しみる部分に知覚過敏用の薬剤を塗ることです。歯磨き粉よりも効果が高く、持続性・即効性もあります。最近は、様々な薬剤が開発されています。症状の強さによって、薬剤を選択することもあります。象牙質が削れている場合は、その部分をむし歯の治療に使う材料で埋めてしまうこともあります。最後は神経を取ってしまうことです。この治療方法は、今までに紹介した方法で効果がなく、症状が強い場合に限られます。なぜなら、歯の神経を取ることは、歯の寿命を短くしています可能性があるからです。これについては、またの機会にしたいと思います。

 

少ししみるくらいだから大丈夫と思わず、まずはざいもくちょう歯科へ相談下さい。また、治療をして症状がなくなっても、原因が解決されていなければ、再び症状が出てくることも考えられます。知覚過敏を予防するには、むし歯や歯周病を予防することから始まります。一生美味しく食事ができるように、毎日の歯みがきと定期的な歯科医院での健診を続けて下さい。